11月21日、東京・京橋のTODA HALLで開催された「クールジャパンDXサミット2025」に参加しました。本イベントは、内閣府とクールジャパン官民連携プラットフォームが主催する、日本最大級の文化×デジタルのカンファレンスです。俳優の伊藤英明氏をはじめ、行政・企業・クリエイターが集まり、日本の文化をいかに“再編集”し、世界へ届けていくかが熱く議論されました。

とりわけ印象的だったのは、伝統文化や地域の魅力がデジタルを介してまったく新しい体験へと生まれ変わるという視点です。文化はそのままでは海外に届かず、届け方の設計こそが価値を生むという考えが共有されており、この点はインフルエンサーを活用した国際発信に取り組むJIIAの活動とも重なり、強い共感とシナジーを感じました。

インバウンド関連のセッションでは、地域にある物語をどのように見つけ、誰がどのように表現するのかが重要であると語られ、SNS時代における“翻訳者”としてのインフルエンサーの役割が一層明確になりました。

また、国として掲げるインバウンド目標──2030年までに訪日客6,000万人・旅行消費額15兆円──に加え、内閣府が示す計画では、ゲームやアニメなどのコンテンツ分野や食・観光分野といったクールジャパン関連産業の国内外市場規模を、2028年までに30兆円規模へ拡大することを目指し、さらにその相乗効果によって2033年までに50兆円以上へ成長させるとしています。これらの目標は非常に興味深く、産業界がどのように関わり、どの領域で貢献していくのかが問われる重要なテーマであると感じました。

さらに、AIやデジタル技術に関する議論では、データ分析を活用しつつも、人を動かす感性や共感の力をどう両立させるかが不可欠であるという指摘が心に残りました。

会場では多様な参加者との交流が生まれ、分野を越えた協働の可能性を強く感じる一日となりました。今回得た示唆を、JIIAとして地域や企業との連携に活かし、日本の魅力を世界へ届ける活動をさらに強化してまいります。

クールジャパンDXサミット2025 ゴールドスポンサー「伊藤園様」のブースにて