2025年11月、一般社団法人日本国際インフルエンサー協会(JIIA)は、日本Web3ツーリズム協会と新潟県三条市が主催する「地域産業×Web3視察交流会」に参加しました。今回の視察を通じて、三条市におけるWeb3の社会実装を現地で体験し、地域の産業・文化・人・デジタルがどのように結びつき、新しい価値を生み出しているかを実感し、多くの示唆を得ることができました。
三条燕エリア(新潟県三条市・燕市)は、日本有数の金属加工・刃物・洋食器の産地です。鍛冶技術の三条、磨きの燕として知られ、職人の高い技術と中小企業の連携が地域を支えています。
三条市では職人文化の継承と地域コミュニティのつながりを大切にしながら、デジタル技術を活用した新しい地域モデルを構築しています。特に印象的だったのは、地域の企業が自社を擬人化(キャラクター化)しNFTとして発信する「匠の守護者プロジェクト」です。このプロジェクトではキャラクターデザインを地元のデザイン専門学校の学生が手がけ、NFT化する取り組みが進められています。地域のものづくり企業をデジタル上で擬人化(キャラクター)して表現することで、若い世代や来訪者が楽しみながら地域の産業を学べる仕掛けとなっています。
そして、このNFTを保有することで「デジタル市民証NFT」としての役割が生まれ、保有者はデジタル市民権を持つことになります。デジタル市民は、“デジタル三条市長選挙”に投票・立候補する権利を得るほか、町工場ホッピングツアーや温泉施設の特典など、地域との関わりを深めるさまざまな機会が提供されています。こうした仕組みにより、三条市の外に住む人々もデジタル空間を通じてまちづくりに参加できるようになり、関係人口の増加に取り組まれています。ここでいう「関係人口」とは、地域に定住していなくても、地域への関心やつながりを持ち、継続的に関わりを持つ人々を指します。
三条市では、Web3技術を通じてこの関係人口を可視化・拡大し、地域の新たな担い手としての関与を促しています。この取り組みは、地域の枠を超えて全国各地の自治体からも注目され始めており、地方創生における新たなモデルとして広がりを見せています。
現地では、地域の青年会や事業者が行政と連携し、Web3を通じた地域活性化を実践しており、三条市の柔軟で開かれたまちづくりの姿勢が強く印象に残りました。今回の視察を通じて、Web3の社会実装とは、技術導入が中心ではなく、人と地域の新しい共創を生み出す仕組みが中心であると改めて実感しました。
地域の現場には挑戦を続ける人々の熱意と物語があり、それをデジタルの力で世界に伝えることが、これからの地方創生の鍵になると感じています。
JIIAは引き続き三条市での学びを礎に、Web3ツーリズム協会や地方自治体との共創を深めながら、体験型PRモデルや観光DXを推進し、地方創生とデジタル社会の融合を支える架け橋として活動を続けてまいります。
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